かがやき+1 平成22年度10月
2010年10月31日

この「かがやき+1」では、子どもたちの姿を通して、保育者が、保育の中で感じたこと、考えていること、大切にしていることをお伝えしていきます。 今回は   

『こんなことしたい!』

です。

「きょうもトンカチしたーい!」「○○ちゃん、きょうもラーメンやさんやろう!」などなど、子どもたちの何をしようかなという、ワクワクした思いで一日が始まります。  登園する前から、やりたいことが拡がっている子もいれば、登園してから、周りの子の様子や遊びを見ながら、自分がしたいことを見つけていく子もいます。また、私たち保育者も、一人ひとりがやりたいこと、好きなことを見つけて過ごしてほしいなと思いながら、日々生活しています。  子どもたちの「やりたい!」という思いは、どんどん溢れてきます。 それは、二学期が始まってからつくってきた“はせの世界”を通して、改めて実感しました。トンカチで打っていた数人の子たちの‘はしをつくろう!’‘ふねでいこう!’‘このうみには、ワニがいるんだ’などのイメージから始まり、具体的にハシゴのあるふねをつくりたい!という思いを形にしだすと、それを見ていた他の子たちも「じゃあ、こんなのもつくりたい!」「こんなのがあったらいいな!」と想像の世界を膨らませ、周りにいる子たちと形にしていきました。  つくる中では、元々仲が良い子同士だけでなく、つくりたいものを通して、ともに気持ちを通い合わせていくうちに、お互いを知り、関係を築いていく子たちもいました。  そして、思い描いたものを実際に形にしていく中で、明日もやりたい!と思ったり、もっとこうしたい!と思ったり、今日も明日も、その次も!と、続いている子どもたちの気持ちを感じました。  これつくりたい!という子もいましたし、トンカチを使えることに自信があり、あちらこちらで打つ子もいました、ただただトンカチで打つことが楽しいという子もいたり、一人ひとりのタイミングときっかけで、このはせの世界に関わってきました。  木材でつくるだけでなく、これまでも身近に使ってきた空き箱や布などでつくったり、その空間で遊んだり、その世界から作り出した新たなゲームをしたりと、いろいろな要素から楽しさがうまれた、このはせの世界は、九月から、今もまだ続いています。一ヶ月以上もの間、子どもたちの気持ちが向いているのは、やはり、自分たちの“こんなことしたい”という、あふれんばかりの思いが重なり合いひろがってきた生活だからこそだと思います。  たくさん遊んだこの空間は、今月で一度終わりを迎えます。はせの世界を通して、子どもたちは、思いを実際に形にできた喜びや自信、充実感や満足感など、様々な気持ちを抱いています。そして、また、何かつくりたいね!そんな前向きな子どもたちの気持ちが、また新たな世界を生み出すのだと思います。   私たちは、子どもたちの思いを感じ、子どもたちが自ら、考え、工夫しつくる生活をこれからも大切にしていきたいと考えています。          img018.jpg