この「かがやき+1」では、子どもたちの姿を通して、保育者が、保育の中で感じたこと、考えていること、大切にしていることをお伝えしていきます。
今回は
です。
長谷幼稚園では、遊びたいものを箱や毛糸、布などの廃材を使ってつくったり、毎月の誕生日会のお祝いを子ども達が考えたりと、子どもが一から考えつくっていく生活を大切に過ごしています。
先日、黄色の子(年長児)のさよならの日(卒園式)がありました。
今年は、一緒に過ごしてきたみんなとも、黄色の子ともお別れだからというアイデアで、さよならの日が「さよなら みんな きいろじま」という名前になりました。
その、さよならの日の舞台を、どのようなところにしたいか、毎年子どもたちが考えてつくっています。
「ようちえんでしょうしょをもらいたい」という子のアイデアから「かべには みんなのかいた えをはりたい!」「しょうしょは、えんちょうが もんからでてくるってことにしたい!」「かいだんのぼって ながくあるきたい」「いりぐちつくろう!」「さくらのはなが うえからふってきているようにしたい」「ののさまつくろう」などなどイメージがどんどん膨らんでいきました。
「じょうぶにするには、きでつくろう!」ということになり、つくりはじめました。
長谷幼稚園の生活の中で、たくさんとんかちをしてきた子ども達。舞台を、木箱や板を使ってとんかちやのこぎりで、たくさん打ったり切ったりしてつくりました。
とんかちをしながら、「○○つくったよね〜!、あのときたくさんよこうちしたよね、なかなかはいらなくてさ!」などと、幼稚園でのことを思い出して話している姿もあり、そんな姿もいいなと思って見ていました。
また、門は「おしてあけたい」という話から、木でつくるのは、重たいしあけにくい、などとでてきて、どうしたらいいかみんなで考えていると、ダンボールを丈夫にしてあけられるようにしよう!ということになり、園長が入るぐらいの大きなダンボールを探してきました。そして、真ん中を切ってこのままだと何か変だから、「ぬのをはってきれいにしよう!」と、たくさんの布を貼り合せてステキにしました。
入口は、カーテンをつけたいといって布を花の形に切って縫っていったり、花束のように縫ったものをカーテンにつけたり、布も自分達でこういうのがいいと選んでつくっていきました。
絵の具で、「みんなとはせようちえんをかこう!」「たのしかったことをかこう」とみんなでこんなことしたよね〜、これ好きだったんだ〜などと話しながら描いていきました。
さくらのはながふってきているように!というのは、花を布を縫い合わせてつくって紐を通してつれるようにして、天井からつるして降ってきているようにしました。
そして、子ども達の大好きな「ののさま」をつくって見ていてもらおう!というところから、みんなでののさまを縫ってつくることにしました。
顔、からだ、洋服、手に分かれてつくりました。
洋服は、黒いので白い線が入っていて、と袈裟のイメージ!白いところはカーテンのレースをぬいあわせてつくり、ボタンもつけるとダンボールを丸くきって布をかぶせて縫ってつくったり、あたまも髪の毛を一本一本縫ってつくり、ぺっちゃんこじゃだめだから新聞をいれて膨らまそう!などとみんなの中の「ののさま」のイメージが重なり合ってとってもかわいくて筋肉ムキムキの「ののさま」が完成しました。
そんなみんなの思いがたくさんつまった舞台!
「いいのできたね!」と顔を見合いながら話していたり、できるまで秘密にしていて赤(年少)青(年中)の子たちに作ったところをお知らせしたりするときの嬉しそうな顔。
この自分達でつくったところで、さよならの日を迎えられるということは、どきどきわくわくと同時に嬉しさも大きかったことと思います。
その舞台での子ども達の姿は、にこにこした笑顔でまたとても堂々としていて輝いていました。
子ども達が一から考えつくっていくので、世界に二つとない世界に一つだけのみんなだけのお祝いができるということは、すてきなことだなと思います。
子ども達が考えてつくっていくすがた、あふれだすアイデアはあらためて輝いていて、おもしろく楽しいなと感じました。