この「かがやき+1」では、子どもたちの姿を通して、保育者が、保育の中で感じたこと、考えていること、大切にしていることをお伝えしていきます。
今回は
です。
1学期の最後の『かがやき+1』で、帰りの時間についてお伝えしました。2学期になってからも、子どもたちは、帰りの時間に、「今日は絵本、3時間スペシャルにしようよ!」(保育者に、本を3冊読んでほしい、という意味)などと、「こんなことしたいな」という思いを出して過ごしています。
そんな子どもたちの様子を、保護者の方にも見ていただきたいと思い、数人のお母さんに声をかけたところ、降園時間より少し早めにクラスに遊びに来てくれました。それに気づいた子どもたちは、大喜び。帰りの時間の前に、「おきゃくさんがきたら、おんがくかいしようよ!」と話していたので、早速、音楽会が始まりました。オーケストラの演奏を聴きに行った経験のあるきいろの子(年長児)が、「しきしゃがいるね!」と言うと、ある子が「やりたい!」と、部屋の真ん中に立ち、手をプルプルと振り始めました。また、ある子はサッと空き箱を持ってきて太鼓にして叩きました。その他の歌う子どもたちは、みんな歌手です。1曲終わるごとに、お客さんのお母さんたちが「わー!」と拍手をしてくれるので、子どもたちはますます嬉しくなってきて、何曲も歌いました。
日を追うごとに、「きょうはわたしも、しきしゃやりたい!」「きょうは、どうぶつのこえでうたう、どうぶつコンサートにしようよ」「きょうはおかあさんたちと、ゲームたいかいがしたい」とアイディアを出したり、「きょうはふえをつくったんだー」と、楽しみにしたり、帰りの時間になると、部屋の外を見渡して、早めにお迎えに来たお母さんを見つけると、他のクラスの友だちのお母さんであっても、「○○のおかあさーん!おんがくかいするから、きてー!」と部屋にお母さん方を呼ぶ子どもたちの姿が出てきました。そして、お母さん方は、そんな子どもたちの思いを受け止め、快く応えて下さっています。
他にも、都合がつく時に、お弁当の時間を一緒に過ごしたり、朝、幼稚園に送った後、しばらく園に残って子どもたちの遊ぶ様子を見たり、一緒に遊んだりされている、保護者の方の姿が、少しずつ増えてきて、嬉しく思っています。幼稚園で過ごされてのお話を伺ってみると、「思っていたのとは違う、○○の姿が見られて、感動しちゃいました。」「初めは、子どもになって遊んでいいのか、大人として子どもたちと関わった方がいいのか、外から見ているだけの方がいいのか迷ったけれど、一緒に遊んで、楽しかったです。」とおっしゃっていました。
私たち保育者から、かがやき(園便り)や、個人のお便りノート、直接お話しすることを通じて子どもたちのことを知っていただくだけでなく、保護者の方が、直接子どもたちの姿をご覧になることで、子どもの遊ぶ世界や、お子さんの様子などの、新たな発見があることを感じました。
子どもたちも、自分の家族だけでなく、「○○のおかあさん、きいて!」「△△のパパだ」「□□、きょうおじいちゃんときたんだね!」と、周りの人たちに、とても親しみを持っています。子どもたちが、たくさんの人を知り、一緒に過ごし、大切にされて、大きくなっていくことを大切にしたいと思っています。