かがやき+1 平成20年6月
2008年6月29日

この「かがやき+1」では、子どもたちの姿を通して、保育者が、保育の中で感じたこと、考えていること、大切にしていることをお伝えしていきます。 今回は   

『とん とん とん とん』

です。

 新しい生活が始まって、2ヶ月ちょっとがたちました。幼稚園の生活にも慣れ、ひとりひとりが楽しいことを見つけて遊ぶ姿が見られてきた、今、長谷幼稚園では、とんかち、のこぎりを出しました。一見、危ないもののようにも思われるものですが、普段あまり使うことのできない特別なもの、そして、本物を使えるということは、子どもたちにとって、とても魅力的なものです。  クラスごとに出したときには、何人かでグループになり、初めて使う子や、赤の子(年少児)に、一緒に手を持って打ってあげたり、初め少し釘を打ってから、打たせてあげたりして、優しく教えてあげる姿がありました。  とんかちを使っていく中で、「すごいとんかちぱわーだね」と打っている子のことを認めたり、それを見て、自分も見てほしくなって打ったり、1本をじっくり時間をかけて打って入ると、「はいったね!すごいね。」と一緒に喜んでいたり、1本入ったのが嬉しくて「みて、すぐはいっちゃうんだ」と言って、何本も打つのを見せてくれたりしていました。  とんかちで打てたり、のこぎりで切れたりした時の満足感はとても大きいと思います。その満足感が、次への自信へとつながっていってほしいなと思っています。  きいろの子(年長児)で、7月に、幼稚園に泊まる日があります。そこで、どんなところがあるといいかな、と話していると、「おふろにはいるまえにきがえる、だついじょ!」「たながあって、ようふくをぬいだら、おいておけるの!」「ちいさなはせようちえんをつくりたい」などなど、いろんなアイディアが出てきました。「きでつくろう」「とんかちでつくろう」という声から、外に、きいろの子で、つくることになりました。  棚をつくりたいと言う子たちは、木箱を両はじに立てて、木の板を渡して打ち、物を置いたときに落ちちゃうからと言って、棚の壁も木を横打ちしてつけました。横から打つのはとってもパワーを使い、難しいのですが、そこを時間をかけてじっくり打ってつくっていました。  他にも、小さい幼稚園に入る時には、靴を脱いでおく、靴箱が必要!と言って、きりんの靴箱をつくっていたり(まだつくり途中です)、着替えるところに行くには、すべり台を滑って、のれんをくぐって行けることにしよう!と言って、本当に滑れるすべり台を、丈夫な木を探してきて打ったり、板をたくさん木箱に打ち付けて階段も作り、その手前には、向こう側が透けて見えるのがいいと言って、探してきた布をつけ、のれんが出来上がりました。  まだまだつくり途中なのですが、子どもたちのイメージは膨らみ、ああしよう!こうしよう!とみんなで話し合いながらつくっています。少しずつ、できたところをのれんを通って階段を上ったり、着替え室の棚に、帽子や着ているものを置いてみたり、すべり台を滑ってみたりしました。その時の子どもたちの顔は、もう、にこにこでした!自分たちでつくった空間で遊べたり、本当に使えるということは、子どもたちにとって、とても嬉しいものです。その、できた時の満足感や達成感が、次の、何かをつくりたい、やりたい、という気持ちへとつながっていくといいなと思っています。 H20-6PLUS1015.jpg