かがやき+1 平成23年11月
2011年11月30日

この「かがやき+1」では、子どもたちの姿を通して、保育者が、保育の中で感じたこと、考えていること、大切にしていることをお伝えしていきます。 今回は   

『地震・津波の避難訓練を通して』

です。

長谷幼稚園では、地震や火災を想定した場合と、不審者対策と、あわせて年に6回ほど避難訓練を行っています。 そして先日、今年3月の地震と津波の被害を受けて、長谷の自治会主体で大津波警報が発令されたことを想定した大規模な避難訓練が行われました。幼稚園としても、そのようなときに、園児だけでなく、地域の方々と避難を共にする可能性を考慮し、参加することにしました。 地震が起きたあと、一度園内で避難し安全を確保したのち、大津波警報が発令されたということで、園外(地域の避難場所に指定されている光則寺)に避難する、というものでした。 今回の‘津波を想定した園外への避難’の話は、子どもたちの恐怖心をあおらぬよう事前に伝えることはしませんでした。当日、どのくらい真剣に話を聞く姿が見られるか、保育者の話を聞き、スムーズに次の行動に移れるか、地域の方々に混ざって、混乱なく避難できるか、ということに着目しました。 地震の避難訓練は、今年度に入ってから4度目ということもあり、子どもたちは大変落ち着いて行動していました。また、このあと、みんなで移動するという話も静かに聞いていました。話をしてから、津波の警報を知らせるサイレンがなるまでは10分弱あったのですが、楽しくおしゃべりしてしまう姿もなく真剣に待つ姿がとても印象的でした。 普段から、境内への散歩や本堂参拝などで行き慣れた道ですが、この日は、楽しい気持ちで行くのではないことをしっかり感じとり、また、地域の方々が続々と避難してくる様子に、いつもとは違うという状況をしっかり感じているようでした。 この日、きいろの子(5歳児)には、岩手県の瓦礫撤去のお手伝いをさせていただいた保育者から、写真を交えて、今の状況やこれからも自然と共存していくこと、一本だけ流されずに残った松の話などをしました。自然の怖さだけでなく、自然の素晴らしさやみんなの希望になっている一本松の強さなどが、話を聞いていた子どもたちの中に響いているのを感じました。 この避難訓練を通して、私たち保育者は、子どもたちの中に育っているものを改めて実感しました。遊ぶときは遊ぶ、話を聞くときはきちんと聞く、ということや、今何をするときなのかを考えたり、周りを感じたり、相手の気持ちを察するということ等など。今回、私たちの真剣さを子どもたちも感じて、真剣に取り組めて本当によかったなと思いました。今後も、生活の様々な場面で、子どもたちに伝えるべきことはしっかり伝えながら、遊ぶときはおもいきり遊び、メリハリのある生活を送りたいなと思っています。 img028.jpg