H21.12 かがやき+1
2009年12月25日

この「かがやき+1」では、子どもたちの姿を通して、保育者が、保育の中で感じたこと、考えていること、大切にしていることをお伝えしていきます。 今回は   

『いろいろな はせの世界』

です。

 子どもたちは生活の中で歌ったり、イメージの世界で遊んだり、箱でつくったり、えのぐで描いたりと、様々に自分の思いや世界を表しています。友だちとイメージを共有して遊ぶ姿もたくさんあり、9月から10月にかけてつくった“みんなのもり”(10月の+1をご覧ください)では、みんなで一つの世界を創る楽しさを感じていきました。11月からは、先月の+1でご紹介した同年齢の仲間との生活が始まり、生活の中で生まれていくものから、同年齢ならではの世界を拡げ、仲間と気持ちを響かせ合い過ごしていってほしいと願ってきました。そして、子どもたちは、それぞれの年齢ごとに、楽しい“はせの世界”を創っていきました。  赤(年少児)の子は、汽車に乗って色々な所へ行く遊びから、イメージが拡がっていきました。みんなで、丸くつながって「にじみんなしゅっぽっぽ」に乗ったら、“はたけ”に行って、野菜になったり、“にじのせかい”に行って、色々な色の生き物になったり、終点の“にじえき”では、にじロボットと一緒に音楽会もしました。  青(年中児)の子は、遊びの中から、きのこのイメージが拡がり、“きのこランド”の世界が生まれていきました。歌をうたうきのこたちのトンネルをくぐると、“きのこランド”へ! きのこたちの扇風機が回ったり、丸いものに変身する魔法使いのきのこや、おいしいパンを作るきのこたちがいたり。そして、きのこたちはプレゼントの歌をうたうと、トンネルを通って帰っていきます。  黄色(年長児)の子は、みんなで話をしていく中で「つきにいこうよ!」「つきのどうぶつがいるのは?」「つきのトランポリンのところにいく、つきのひともいてね」と“つきのせかい”のイメージが拡がっていきました。みんなで月の馬車に乗り、馬車の中で眠った後、季節ごとに色々な動物が生まれていきます。プランコに乗ったり、川で魚を食べたりして大きくなったら、鳴き声とともにおわかれです。月の人たちは、トンネルを通ってトランポリンのところへ行き、落ちたら風船をキャッチしながら、太陽・星・月のところへ分かれて行って、太陽のダンスや星の歌、月のお祭りなどをします。最後に、動物・月のひと、みんなで“つきのたいそう”をして、月へ帰っていきます。  子どもたちから生まれていくイメージの世界は、自由で、どこまでも拡がっていき、イメージの柔らかさや子どもの世界のおもしろさを感じます。イメージの世界で遊びながら歌や踊り、お話を考えたり、自分がイメージするものをダンボール箱や布などで作り、身に付けたり、木材とトンカチで園庭に馬車をつくったりしていった子どもたち。それぞれの年齢、一人ひとりによって様々なイメージの表現があり、それらが合さって一つの世界が創られていくおもしろさを感じました。  また、周りの子が楽しんでいる姿を見て、自分もみんなのイメージの世界に入っていく子や自分のイメージを伝えながら、周りの子のイメージも共有していく子どもたちの姿がありました。一人ひとりが自分の世界を膨らませるとともに、仲間がいることでより世界が拡がり、楽しさを感じ合っていくのだと思います。    今の同年齢の仲間、一人ひとりの思いが合さって創られていった世界。自分たちで創った世界だからこそ、全身で入り込み、満足感を感じていったのだと思います。おうちの人に見てもらう嬉しさや、他の年齢の仲間の世界を互いに楽しむ姿もありました。  これからも子どもたちが生活の中で様々な表現を楽しみ、おもしろい世界を拡げていってほしいと願っています。 img015.jpg