はせだより+1 2002年度
2003年3月28日

このコーナーは、長谷幼稚園の先生達が綴り描いてくれるコーナーです ここでは、幼稚園で過ごしている子どもたちの姿や、そこにいる私たち保育者がその姿を見て感じたことなどをお伝えしていきたいと思います。  いつものはせだよりとはちょっと違う「はせだより+1」、時々CHECKしてみて下さいね。

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*きいろのこ ありがとう (3月13日)   (あや先生作成)    3月に入り、ポカポカ日差しが暖かい日は、ドロケイをしていると「暑〜い」と半袖になり出す子がたくさん! 春もすぐそこにきていますね。  きいろの子(年長児)もあと数日で卒園です。 きいろの子みんなでトンカチ握り作った「証書をもらう舞台」の前で、さよならの日に歌う歌をうたっている子どもたちの顔。 自信に満ちて輝いて見えます。 そんなきいろの子に、今までありがとうという気持ちで、桃・赤・青の子が『きいろの子パーティー』を秘密で考え、用意しました。 「きいろの子はかっこいいからさ、みんなでかっこいいことしたらいいんじゃない?」etc…。 様々なアイデアを出し合い、きいろの子にあげるプレゼントも作りました。  一緒に遊び、憧れる気持ちもたくさんのきいろの子にあげるプレゼント。 「○○ちゃんは何が好きかなあ」じっと考え込む子。 作ったプレゼントを包もうと紙を選んでいる子に、「誰にあげるの?」と聞き、相手が分かると「じゃあ、お花のがいいんじゃない?」と言う子。 あげる相手を思いながら作ろうとする子どもたちの姿に、今まで一緒に生活してきた中で、友だちの姿を知りあって、認め合う気持ちが育っているのだなあと思いました。  さて当日、何も知らなかったきいろの子は、パーティーに招待されびっくり! プレゼントをもらって、早速「開けていい?」と見て、友だち同士もらったものを見せ合ったり、本当に嬉しそうでした。  子どもたちの気持ちがたくさんつまった暖かいパーティー、この1年ではせっこみんなが仲間になっているのですね。 SASHIE0921.JPG
*みんなでつくる生活、楽しい! (1月31日)  3学期が始まりまだまだ寒いこの季節ですが、子どもたちは外でも元気いっぱいに遊んでいます。 そして、「ドロケイするものよっといで!」「一緒に○○しない?」と自分たちで仲間を集め、遊びが始まり拡がっていく…そんな姿がたくさん見られるのは、この時期(3学期)ならではのもの。 そんな3学期はお弁当食べる場所一つにしても、どこで食べようかクラスの仲間で相談し、生活全体をつくっていけるといいなと思い過ごしています。  風ぐみでは、‘風の子みんなでどんなことしたい?’と聞くと、「風の子みんなでマラソンしようよ」という子どもの声から、「じゃあ、ゴールは天国にしよう」「スタートは東京」「それなら東京タワーつくろうよ!」…とその世界が膨らんでいきました。 天国は園庭に木箱や板で作り、東京タワーはダンボールで作り、「お寺の池の周り1周コースにしよう!」と言って、風の子マラソンを楽しむ子どもたち。 子どもたちそれぞれが自分の思いを出して、友だちと一緒に一つの世界をつくり楽しむ姿、いいなあと思います。  これからも、みんなでつくっていく生活を、たっぷり楽しんでいきたいと思っています。  風ぐみ以外のクラスは…というと、花ぐみは部屋にダンボールで遊園地(ジェットコースター、おばけやしき、レストランetc…)を作り、鳥ぐみは山で秘密基地を、月ぐみは園庭に木箱や板でテントを作って楽しんでいます。 SASHIE0921.JPG
 *「海の世界 楽しんでるよ」(11月22日)  何かになりきって遊ぶのも大好きな子どもたち。 今、海の中に住む動物(イルカ・サメ・クジラ…)や生き物(カニ・ヒトデ…)になって遊ぶことを楽しむ姿もあります。 イルカは「キューキュー」鳴いてジャンプしたり、カニは手をチョキの形にして揺らし、しゃがんで横歩きしたり、ヒトデは床をゆっくりゆっくりはってみたり、と体全体で何かになりきるって楽しい。 そして、その海の世界の遊びは膨らんで、イルカやサメが病気やケガになった時に診察してくれる海の中のお医者さんがいたり、イルカやカニがおなかが空いた時に、「ここには、魚のピザもあります」とだしてくれる魚のレストランがあったりと、子どもたちの遊びは拡がっていくのです。 子どもたちが何かになりきっていく姿を見て、どっぷりその世界を楽しみまさにそのものになりきってしまう子どものパワーってすごいなと感じます。 これからも、子どもたちのもつおもしろさをいっぱい感じ、そんな姿大切にすごしていきたいと思っています。 SASHIE0921.JPG
*「さよなら くーちゃん」(9月18日)  長谷幼稚園では、孔雀の「くーちゃん」と烏骨鶏の「コッコ」を飼って、一緒に過ごしてきました。 くーちゃんやコッコにえさ・水をあげる“とり当番”は黄色(年長)の子が順番にやり、それ以外の子も「くーちゃ〜ん」「コッコ〜」と葉っぱをあげたり、くーちゃんが羽を広げるのをニコニコ見ていたり…。  そうやって一緒に過ごしてきたくーちゃんとコッコたちでしたが、今年の夏、具合を悪くして、くーちゃんが死んでしまいました。 2学期に入って、くーちゃんのお骨を光則寺のお墓に納骨することになったのですが、その日の朝、「くーちゃんにあげよう」とお花を持って登園した子どももたくさんいました。 「くーちゃんにあげるんだから、きれいなお花じゃなきゃダメなんだ」「くーちゃんにきれいなお花を持っていきたい」etc…子どもたちがそんな風に言っていた事をおうちの人からお聞きしました。 そうやってくーちゃんのことを想う気持ちが、いいなあ…と感じました。 (勿論自分のこともそうなのですが)自分以外の誰かを大切に思えるって、すてきな事ですよね。  またその日の朝、「お花を忘れてきちゃった!」と悲しむ友だちに、「これ、あげるよ」と自分の持ってきたお花を分けてあげる姿もありました。 そんな優しい気持ちも大切にしていきたいと思います。 “くーちゃんとのさよなら”という悲しい別れの中で、たくさんの暖かい気持ちを感じた一日でした。 SASHIE0921.JPG - 19,945BYTES
*素敵な仲間(6月14日)  4月から新しい生活が始まり、2ヶ月がたちました。 子どもたちはその子なりのペースで幼稚園での生活を送っています。  最近、クラスで休みの子がいると、こちらがそのことを伝えなくても「きょうは○○は休み?」とたずねてくる子どもの姿があります。  4月に初めて出会い、始めのうちは休んでいる子がいても、子どもが自分でそのことに気付くことはありませんでした。 でも、幼稚園での生活がスタートして、秘密基地を作ったり、砂山に長い長い大きな川を作ったり、ブルー王子からプレゼントされた特別な絵の具で絵の具の図書館をひらいたり、泥畑でドロドロになってお互い泥をつけあったり、お弁当も一緒に食べて、そして泣いてしまうほどのケンカをして、また一緒に遊んで…。  年齢に関係なく一緒に遊んで、様々な体験を共有していくうちに、他の誰でもいいわけではなく、‘○○と‘遊びたいという思いがうまれていく姿っていいなと思っています。 幼稚園で大切な仲間ができてきた子どもたち。 これからも仲間と色々なことを体験していってほしいなあと願っています。 SASHIE0616.JPG - 21,380BYTES
*    絵の具って楽しいな!(5月21日)  園庭いっぱいに拡がったダンボールのトンネル・高い壁・部屋。 そのダンボールでつくられた空間で、絵の具をたっぷりつけた太いはけ・筆で思い思い子どもたちが描く日がありました。  朝、みんなで集まり、話を聞く子どもたち。 「えの〜ぐ王国のブルー王子から電話があって、その王子はピンク姫、イエロー王子、グリーン姫とお城で住んでいます。えの〜ぐ王国には素敵な絵の具がたくさんあります。 長谷幼稚園のみんなにその絵の具をプレゼントするので、絵の具をしてね」ということで…そのえの〜ぐ王国からのプレゼントの絵の具を手にした子どもたち。  ダンボールでつくられた空間で、「ここはピンクの国」と一面に色を描いていったり、「高いところにもかく…」と腕を思いきりのばし、全身で絵の具の感触を味わいながら描いていた子どもたちでした。  そしてその日が終わり、「ブルー王子にお礼を言いたい」「また絵の具やりたい…」と子どもから声があがりました。 えの〜ぐ王国の話を信じ、想像をふくらませる子どもの力、そして楽しんだものをもっとやりたい…と素直に気持ちを表現する姿っていいなと感じました。  幼稚園の生活の中で、自分が○○して楽しい…、また○○したい…という気持ちをそれぞれの子どもがふくらませ、過ごしていけたらと思います。 SASHIE05211.JPG - 22,225BYTES
*何のたまごかな?(5月2日)  長谷幼稚園では、帰りの時間30分はクラスで絵本を読んだり歌を歌ったり、みんなで集まって過ごします。 とはいえ、4月始まってすぐの頃は、「今遊んでるのになんで片付けになっちゃうの?」と、集まるということに?マークがいっぱいの子も。 最近になって、絵本や歌など帰りの時間にすることも楽しいということを、みんなが感じるようになってきました。  今、鳥ぐみで、帰りの時間だけみんなが見られる「たまご」があります。 1週間程前にやった「透明たまころゲーム」(目には見えない卵を、隣の人に割らないようにそっと渡し全員にまわす、というゲーム)。 子どもたちは円になって座っているのですが、見えない卵が本当にあるかのように順番にまわし、1周したところで「もう少し暖めてみよう」となり、手のひらでそれぞれ暖め、もう1周したところで「音を聞いてみよう」となったのです。 「シューっていうよ」「コツコツって聞こえた?」いろんな音が聞こえます。 そして最後は「生まれるまで(部屋)のポストで暖めよう」となり、それから毎日帰りにポストから出しては順番に音を聞いているのです。 最近では「コケコッコー」「ピー」「カァー」etc…。 音もいろいろで、何の卵かもみんなの謎となっています。  見えないものを信じる力を持っている子どもたち。 空想の世界にスーッと入り込み、みんなでその世界を楽しめる気持ちが、いいなと思っています。 果たしてこの卵、最後はどんな風になるのやら?! 楽しみ楽しみ。 SASHIE.JPG - 19,927BYTES