「どきどき わくわく 新たな生活」
新たな仲間を迎えてスタートした幼稚園での生活。園庭では砂山から水を流したり、おもちゃ(本物の鍋やフライパンなど)で料理をするイメージで遊んだり、虫を見つけたりと、穏やかに過ごす子どもたちの姿があります。
今年度入園した赤の子(3歳児)のAくんは、まだ少しドキドキしていて、お母さんと離れる時に涙を流し、保育者と一緒にいました。
その様子を見た青の子(4歳児)のBくんは、Aくんの側に来て、「どうしたの?ママと一緒にいたいの?」と声を掛けました。
「お迎え来てくれるから、大丈夫だよ。」と声を掛けますが、Aくんの目にはまだ涙が...。
するとBくんは、一旦部屋に行くと、両手を後ろにしながら再びBくんの側に来ました。
背中に隠し、秘密にしていたとっておきの空き箱を、「じゃーん!今から、マジックをするよ。」と、笑顔で見せました。
「このトイレットペーパーの箱(芯)が...ふたつになりました!」と、トイレットペーパーの芯が一つから二つに増える(!?)マジックを披露しました。
その後、Bくんと、涙がとまったAくんは、2人で笑い合いながら一緒に遊び始めていました。
「このマジックはね、泣いている子を元気にさせてあげるマジックなんだ!」と、大切に空き箱をしまっているBくん、実は昨年の同じ頃に、お母さんと離れる時に涙を流していました。
空き箱を使い、思いついたものをイメージしてつくることを楽しんでいたBくんは、仲間の気持ちに寄り添い、どうしたら笑顔になれるか考え、つくったものを見せようとひらめいたのです。
新たな場にドキドキしている子も、日々、幼稚園で「やってみたい」と思ったことで遊んだり、仲間たちと過ごしたりすることで気持ちがほぐれ、より楽しい気持ちが膨らんでゆきます。
これからの生活で、少しずつ幼稚園がそれぞれの子にとっての安心の場となり、好きな遊びを楽しんでほしいな、と願っています。