はせだより+1 平成18年 2月
2006年2月5日

このコーナーでは、私たち保育者が、保育の中で大切にしていること、考えていること、感じたことを、子どもの姿を通してお伝えしていきます。 今回は   

クラスの仲間 〜ひとつのことに気持ちを合わせる〜

です。

 4月から一緒に過ごしてきたクラスの仲間たち。お互いのことを知り、つながりが強くなってきたのを感じます。そんな仲間だからこそ、お互いのアイディアや意見を聞き、ひとつのこと・ひとつの世界をつくっていけたらと私たち保育者は考えました。    あるクラスでは、クラスのみんなでどんなことをしたいか相談すると、「みんなが入れるおうちをつくろうよ!」という子がいました。それを聞き、「おうちの中にラーメン屋さんがあるの!」という子がいて、それを聞き、「ヨーヨーつりとか金魚すくいとか夏祭りじゃなくて、冬祭りしたい!」という子がいて、またそれを聞き、「こんちゅうしょっぷ つくる!」「おんがくやさんになる!」・・・というように、一人の子のアイディアからどんどんイメージが拡がり、いろいろなアイディアにつながっていきました。そして、ダンボール箱や空き箱、布、毛糸などを使って、おうちの壁をつくる子、屋根をつくる子、ラーメンをつくる子、ヨーヨーをつるく子、とそれぞれが、相談で決まったものの中から何をつくるかを自分で選び、気持ちを向けてつくっていきました。  つくっている中で、おうちに三角屋根が取り付けられると、他のものをつくっていた子が「すごーい!!」「本当の屋根みたいだね!」と言って、屋根のついたおうちの中に次々と入っていきました。ぎゅうぎゅう肩を寄せ合いながら、その屋根はあっという間に大人気の空間になりました。屋根をつくった子は、そんな周りの子の「すごーい」という言葉や様子がとても嬉しく、「ここは3人か5人くらい入れることにしよう!」と自信満々でみんなに伝えていく姿がありました。周りの子がつくったものをいいねと思い、それを相手に伝えていく子どもたち、それを受けて自信をつける子どもたち、とてもいいなと思いました。  また、はじめは一人で黙々とつくっていて、そこへ興味を持った子が来た時に、一緒につくろうという気持ちになり、「ここ一緒にテープはって!」「それいいね」と声を掛けながら、すっと相手のことやしていることを認め、一緒につくっていく子どもたちも素敵だなと思いました。  そうして、それぞれがつくったものが集まってできた「おうち」の世界。ラーメン屋さんやおんがくやさん、こんちゅうしょっぷ、ヨーヨーつりなど、順番にまわり、交替でお店屋さんとお客さんになって、遊びました。自分たちで相談して決めたことに向かって、気持ちを会わせてつくり、その世界で遊び、どの子もクラスみんなでつくった「おうち」の世界を楽しみました。  このように、一月末は、4クラスそれぞれの時間を過ごしました。 おうちを考えたクラスの他に、お店屋さんと忍者のショーを考えたクラス、クラスの部屋のリフォームを考えたクラス、温泉とお店屋さんを考えたクラスがあり、お互いのクラスを行き来して遊びました。自分たちのつくったところへお客さんが来てくれる嬉しさや、他のクラスの子がつくったところで遊ぶ楽しさをたくさん感じていたように思います。  クラスの仲間で考え、ひとつのことに気持ちを向け、つくっていく生活が送れてよかったなと感じています。