かがやき+1 平成27年 3月
2015年3月5日

 『わくわくする子どもの世界へようこそ!』



 あなたの目の前に見える世界はどんな世界ですか?通り過ぎるたくさんの人や建物、木や乗り物を見て、いつもと変わらないなと思う人も多いかもしれません。そんなときは子どもの目に見える世界を覗いてみてください。きっといつもと変わらないはずの風景がわくわくするものに見えてくると思います。

 

 「長谷幼稚園には秘密の地下室があるんだよ。」ある行事のお父さんたちのパフォーマンスでそんな言葉が出てきました。子どもたちはびっくり!そしてある日、その地下室を探す冒険に出発しました。長谷幼稚園の中には2階へつづく階段があります。いつもみんなが使っている階段です。その階段を見て子どもたちは言いました。「ここがひみつのかいだんだ!」秘密の地下室へと続く階段です。子どもたちは「なにかたからものとかおちてるかもしれない!」とゆっくりゆっくり階段を下りていきます。「あ!」Mちゃんが言いました。「たからものあった!」それは誰かがたまたま落としていった空き箱でした。子どもたちは次々と紐や紙など色々なものを見つけては胸を高鳴らせていきます。

「このみどりのはほうせき!」「ねえねえ。これきっとこびとがおとしたほうきだよ!」

「じゃあちかしつにはこびとがすんでいるのかも。」「いってみよう!」

 

 次は秘密の地下室で小人を探すことになりました。地下室に到着しました。みんながいつも遊んでいる部屋です。けれど子どもたちにとってここは初めて来た秘密の地下室なのです。「こびとがいたよ!」Aちゃんが言いました。そこにあったのは小さな小さな紙切れたちでした。

「ここにみんなですんでるんだね。」「まだねてるみたい。」「さむいからぽけっとにいれてつれていってあげようよ。」「やさしくね。」

 

 そこで片付けの時間になり、地下室の冒険は終わりました。ところが、お弁当を食べ終わったあと、冒険仲間の一人Kくんがひょこっとやって来て耳元でそっと言いました。「まだ、こびとねてるんだよ。ほら。」Kくんのポケットにはあの小人たちがいました。子どもの世界はそこでおしまいではなく、楽しければ楽しいほど続いていき、次の遊びにもつながっていきます。お弁当の時間をはさんでも、Kくんのなかでは小人の世界が続いていたのですね。こんなにも想像の世界にぐっと入り込んで遊ぶこどもたちが本当にすてきだなと思います。子どもたちの想像の世界は、いつでも私たちの身近にあるものをきらきらと色鮮やかに見せてくれるのです。

 

 子どもたちのわくわくと心踊る世界をいつまでも大切にしていきたいですね。毎日どんな世界にだって飛んでいける、そんなファンタジーがいつもあなたを待っています。