かがやき+1  平成24年7月
2012年7月25日

この「かがやき+1」では、子どもたちの姿を通して、保育者が、保育の中で感じたこと、考えていること、大切にしていることをお伝えしていきます。 今回は   

『かぶくん おはよう!』

です。

 あるクラスで飼い始めたオスのカブトムシ。それが、『かぶくん』です。  「子どもたちに、卵から幼虫が生まれるところを見せてあげたい!」「サナギから成虫になるところを見せてあげたい!」と、保護者の方が、おうちで育てていたカブトムシの卵とサナギを持ってきてくださいました。   子どもたちは、土の中にいて姿の見えないサナギにワクワクし、毎朝、登園すると一番で、カブトムシチェックをしていました。数日後、いつものように朝見てみると、大きなメスのカブトムシが成虫になって、土の上でじっとしていました。「でてきた〜!」と、大興奮の子どもたち!その話は、クラスを越えて虫好きの子たちの耳に入り、飛んで見にやってきました。すぐに、『ぽぽちゃん』と命名。エサは、お弁当に入っているデザート(バナナやパイナップルやサクランボ)を少しずつおすそ分けしてあげました。みんなが、帰った夜のうちに食べているので、次の日の朝、見てみると、「あっ!サクランボなくなってる!」と、また大興奮!   夜行性のカブトムシは、昼間は土の中にいるので、なかなか姿を見ることができませんが、子どもたちは確かに、ぽぽちゃんの存在を感じていました。そんな子どもたちの様子をおうちの方も一緒に見てくださっていますし、「うまれたんだ〜」「おおきいね〜」「かくれちゃってるね〜」と、子どもと同じ目線で過ごしてくださっています。   そして、あまりにも姿を現さないのをみかねて、「うちにいるオスを持ってくるわ」と。また数日後には、オスも飼い始めました。『かぶくん』です。かぶくんは、とても食いしん坊。あげたそばから、エサのフルーツをもりもり食べるので、実際に食べている様子を見ることができ、ますます愛着がわきました。   直接見て、触れて、感じて・・・子どもたちは、小さな命、大切な命から大きな経験を得ていると感じます。普段、虫に興味を持っていない子も、実際に飼うことで、身近に感じ、図鑑からは感じることのできない、生きている虫の力強さや感触、生態を肌で感じていました。そんな身近な存在になった虫のことをもっと知りたい!と自然と虫の本を手に取る姿も増えました。また、カブトムシのいる小さなおうちを何人もの子が、頭をくっつけながら見たり、会話したり、普段はあまり関わりを持っていない子たちも自然と気持ちが通い合っていて、素敵な時間でした。  興味を持ち、関心を抱いた時こそが、経験として、本当に大切な時間になるのだなと思いました。 120725_095245.jpg