かがやき+1 平成23年6月
2011年7月27日

この「かがやき+1」では、子どもたちの姿を通して、保育者が、保育の中で感じたこと、考えていること、大切にしていることをお伝えしていきます。 今回は   

『仲間の中で、一人ひとりが輝くとき』

です。 一度アップしたものが削除されてしまったため、今回は6月分を再び掲載いたします。

 ある日、クラスでお弁当を食べている時間に、「ぼく、いま、たこたこゲームかんがえた!タコが追いかけて、逃げる人は、カニとかウミヘビとか好きな生き物になって、逃げるの!タコに墨をはかれて、目が真っ黒になっているときに、タッチされたらタコになっちゃうんだよ!」と、Aくんがゲームを思いつきました。    それを聞いていた周りの子も、「ぼくもやりたい!」「私はカメになる!」と、ゲームをするのを楽しみにしていました。お弁当が終わってから、Aくんは、数人の子を誘って、外でたこたこゲームを始めました。その様子を見て、Aくんと同じクラスの子も、他のクラスの子も、女の子・男の子、色々な年齢の子が「一緒にやりたい!」と、加わって、ゲームが盛り上がっていきました。    その日の帰りの時間に、Aくんが、「みんなで、たこたこゲームをしたい!」と、言って、クラスのみんなで部屋の中で「たこたこかくれんぼ」をしました。Aくんは、とても嬉しそうで、クラスの仲間たちも、Aくんが考えたゲームを楽しんでいました。    またある日は、Bちゃんが午後、遊んでいる中で、ダンボールを四枚切ったものにクレヨンで絵を描いて、紙芝居のようなお話を作っていました。  「おうちがあって、ぶどうの木が立っているの。」「雨が降ってきたから、女の子が傘をさしているの」と、Bちゃんがお話をするのを保育者と近くにいた数人の子どもたちが聞いていました。「他の子にも、お話見てもらいたいね!」と保育者と話をしていたBちゃんは、帰りの時間にクラスのみんなにも、作ったお話をしました。クラスの子たちは、Bちゃんのお話に耳を傾け、お話の絵もじっくり見ていました。  お話が終わると、クラスの子たちが、「Bちゃんが全部作ったの?すごい!」「おもしろかった〜!」と言い、Bちゃんはニコニコしていました。    このように、その子の中に、そのとき生まれた思いや湧き出たイメージ、考えたこと、つくったものを周りの仲間とも共有していく子どもたちの関わりが、長谷幼稚園の生活の中にたくさんあります。  自分が考えたこと、「仲間と一緒にこんなことしたい!」と思ったことが、周りの子にも伝わって、楽しさを共に感じていく瞬間は、とても嬉しいものであり、「それ、おもしろいね!」「いいね!」と自分の持っている良さを受け止めてもらうことで、自分への自信や、また仲間に伝えたい、「みんなと一緒に何かしたい!」という気持ちにも、つながっていくように思います。  周りの子にとっても、「〇〇くん、こんなこと考えてたんだ!」「〇〇ちゃんがつくったもの、おもしろいね!」と、その子に思いを寄せて、仲間の新たな一面を知ったり、その子のことをより身近に感じたりするきっかけにもなっていきます。  また、仲間が考えたことを一緒に楽しむ中で刺激を受けて、「今度はみんなでこんなことしたい!」と、他の子の中にも思いが生まれていくことを感じます。  子どもが自分の中に生まれた思いを、仲間と共有したいと思うときに、その子が伝えたい、一緒に楽しみたいと思う形で共有していけるといいなと思います。そして、周りの子もその子の思いや声を感じ取り、その子の存在、一人ひとりが持っている良さを互いに感じ合っていけるといいなと思います。そのような願いを持ちながら、私たち保育者は、仲間の中で一人ひとりその子が輝くときを捉えて、大切にしていきたいと思っています。            H23.06-PLUS1.jpg