H21.4 かがやき+1
2009年4月30日

この「かがやき+1」では、子どもたちの姿を通して、保育者が、保育の中で感じたこと、考えていること、大切にしていることをお伝えしていきます。 今回は   

『これからはじまる みんなのせいかつ』

です。

 満開の桜に迎えられ、長谷幼稚園での新しい生活がスタートして、もうすぐ一か月が経とうとしています。進級してひとつ大きくなったことが嬉しかったり、新しい環境にドキドキ・わくわくしたり・・・子どもたちはひとりひとり、様々な気持ちを持って幼稚園での毎日を過ごしているのを感じます。  新入園の子にとっては、おうちの人と離れて過ごす初めての場である幼稚園での生活。当然戸惑うこともあると思います。最初は泣いている子もいますが、園庭に咲いている花を摘んでお母さんへのお土産にしたり、幼稚園の中を探検したり、大きい子の遊びの中に誘ってもらったり、少しずつ楽しくなるきっかけを見つけて、にっこり笑顔がたくさん見られるようになってきました。幼稚園にある大きな砂山、たくさんの絵本、切って張って作れる箱や布、園庭でのえのぐ、など「幼稚園ってこんなことできるんだ!」という気持ちが、また明日も遊びたい・やってみたい気持ちにもつながってきているようです。  在園の子にとっても、新しいクラスでの新しい仲間との毎日。少しずつ仲間のことを知る中で、声を掛け合ったり、はりきって新入園の子に手をかけてあげたりしている姿があります。  そして、気持ちよく晴れる日が続いているこの頃は、いろいろな所で様々な遊びが拡がっています。  園庭のあちこちで開かれているのは、砂・泥・葉っぱ・花びらがいろいろなものに変身してできたおみせやさんです。ある子たちは、レストランやさんになって、次々にやってくるお客さんたちに特製の料理をふるまっていました。「なんこでもちゅうもんできまーす!」「こっちに泊まれるところもあります!」と遊んでるうちに、こうしたら?!がどんどん湧き出てきます。そこに、お母さんが恋しくなって泣いている新入園の子がやってくると、一人の子がささっと近寄って行って「どうしたの?お母さんがいいの?うちのレストランに“おかあさんランチ”がありますけど、たべますか?お母さんはなにが好きなの?」と、声をかけている姿がありました。泣いていた子は、つくってもらったことが嬉しくて、遊ぶうちに涙はどこかに吹き飛んで、にこにこ顔になっていました。  またある子たちは、園庭にある遊具を電車やロケットに見立てて、いろいろな所へ出掛けていました。「つぎは“かまくら”にいってごはんをたべよう!」「ようちえんにいこうよ」「うちゅうのどうぶつえんにいこう!」たくさんの行きたい所へ行くうちに、自分たちも動物になったり、探検隊になったり、宇宙人になったり、世界が膨らんでいました。すると、「なにやってるの?いっしょにやりたい!」という子が自然と入ってきて、たくさんの仲間の輪が拡がっていっていました。   こんな風に子どもたちは、遊びながら・関わりながら、楽しさを見つけ、仲間を知り、安心できる場を拡げていっています。自然な声の掛け合いの中で、お互いのことをわかり、関係を築いていけるのが、いいなと思っています。長谷幼稚園では、年齢・クラス関係なく、いろいろな子が関わり合い、みんなで生活をつくっていきたいと考えています。これから始まる新たな一年間の中で、ひとりひとりが安心し、子どもたちそれぞれの「これしたい!」を出し合い、楽しさ・おもしろさを、たっぷりじっくり拡げていけたらいいな、と願っています。                H21-04 PLUS1026.jpg