この「かがやき+1」では、子どもたちの姿を通して、保育者が、保育の中で感じたこと、考えていること、大切にしていることをお伝えしていきます。
今回は
です。
これまで、長谷幼稚園のみんなで一緒に生活してきた中で、子どもたちはお互いのことを知り、遊び、刺激し合い、関係を少しずつつくってきました。異年齢クラスで過ごす日々は、あか(年少児)・あお(年中児)の子にとっては、大きい子が寄り添ってくれる安心感やそんな姿に憧れる気持ち、あお・きいろ(年長児)の子にとっては、小さい子・仲間を思いやる気持ちや自分の思いを伝えていこうとする自信、へとつながってきたのではないかと思っています。また、年齢もクラスも超えて生活することで、いろいろな子がいて、いろいろなペースがあって、どれもいいなという気持ちも育ってきていることを感じています。「これ一緒にやろう!」「ここ座っていいよ!」そんな声かけが自然に出てくることが、とてもいいなと思います。
こうして、ひとりひとりにとって幼稚園が安心できる場となってきている今、長谷幼稚園では、あか・あお・きいろそれぞれに、同年齢での生活を始めています。
あかの子は、これまで生活の中で、あお・きいろの子にやってもらってしまいがちだったところも、”自分でやる”という意識を持って過ごしていけるといいなと思っていて、それがこれからの生活への自信へとつながっていって欲しいな、と願っています。また、あかの子ならではのイメージの拡がりはとてもおもしろく、「ねこになった!」「いるかになった!」「はなびになった!」など、それぞれがパッと何かになりきって、次々とそのイメージがつながっていくことを、
とても楽しんでいます。
あおの子は、きいろの子への憧れもあり、”自分たちでやる!”ということを、とても嬉しく感じているようです。これまではきいろの子に任せていた当番(畑の水やり、お茶の用意、おもちゃを洗う)を、グループごとにはりきってやったり、自分たちで話をして決めていくことがあったりする中で、それぞれに自分の「やりたい!」「こうしたい!」という気持ちを拡げ、さらなる自信をつけていって欲しいな、と思っています。また、ひとりの子の「〇〇ってことは?!」という
アイディアから、「じゃあ、△△っていうのは?」「それおもしろい!」と、次々にイメージが膨らんでいく姿があり、友だちと一緒に考え、遊ぶことをとても楽しんでいるな、と感じています。今は、「とんねるくぐって、いろんな所へ行っちゃう!」というイメージの世界の中、それぞれのイメージが拡がり、楽しんでいるあおの子たちです。
きいろの子は、”きいろの子ならできる!”という気持ちを仲間と一緒にたっぷり拡げて、これまでつけてきた自信や自分の思いを、生活の中で・あそぶ中で、出していって欲しいな、と思っています。生活全体のいろいろな場面で、きいろの子ならではの工夫やアイディアがとび出し、「こうしたほうがいいんじゃない?」「じゃあみんなで考えようよ!」という、自分たちで考えていく姿が、自然と見られています。そして今、子どもたちの思いから出てきたひとつのイメージ
”しま”というところで、それぞれにイメージを膨らませ、同じ思いを持つ仲間と一緒に、世界をつくっています。そこで、ひとつの世界にじっくりと気持ちを向け、仲間と思いを重ね合って、響かせ合って楽しむことで、満足感・達成感・仲間とのより深いつながりへと拡がっていくといいな、と思っています。
二学期いっぱい、こうして生活する中で、同年齢の仲間で過ごすからこその、「こんなことできた」「こうしてみようよ」「一緒にやろうよ」という、世界の拡がりや新しい仲間とのつながりが、これからの生活の中、たくさん出てくるといいな、と思っています。
とはいっても、みんなで過ごす長谷幼稚園での生活なので、まったく別のものとならずに、あか・あお・きいろそれぞれが、お互いの世界も感じながら、自然と交じり合って過ごしていけるといいな、と思っています。