かがやき+1 平成20年5月
2008年6月1日

この「かがやき+1」では、子どもたちの姿を通して、保育者が、保育の中で感じたこと、考えていること、大切にしていることをお伝えしていきます。 今回は   

『ふれて、かんじて、たのしい!』

です。

5月に入り暖かくなると、半袖で過ごせる日が増え、子どもたちは益々、外での遊びを楽しんでいます。4月に入園した子、進級した子、それぞれに新しい環境の中で、少しずつリラックスして「楽しいな!」と思えることを見つけ、過ごしているのを感じます。 そんなこの時期、長谷幼稚園では、子どもたちが様々な素材(えのぐ、砂、水、どろ、べとべとのり*小麦粉に水と熱を加え、のり状にしたもの)に触れる機会をつくっていきたいと思っています。  5月8日から5月15日までの6日間には、「こんなところをぬってみたい!」という子どもたちのイメージを元に、保育者が園庭に木や木箱を使ってつくっておいた空間で、子どもたちは大きく体を動かし、えのぐでぬたくることを楽しみました。 朝、幼稚園に来ると、いつもの園庭が大変身!くねくね道や、屋根がついた囲われた空間、大きな壁。園庭の周りにある、ジャングルジム、大きな木、大きな石にも、紙やダンボールが貼ってあります。それを見ただけで、わくわくしていた子どもたちでしたが、保育者から「いろいろ王国の王様、からのプレゼント、いろいろのもとだよ!」と紹介された、えのぐと筆・ハケを手にすると、さらにわくわく!思い思いにぬり始めました。 ダンボールの穴から顔を出してぬったり、大きな筒の中をのぞきこんでぬったり、ジャングルジムの上から下を向いてぬったり、木の周りをぐるぐる回りながらぬったりして楽しむ子。 ぬっているうちに色が混ざって「こんな色になった!」「新色、おちゃいろだよ!」と言って、混ざった色を使い、さらにぬりたい気持ちになった子。いろいろ王国のイメージを拡げ、「いろりんが帰ってくるまでに、ここをきれいにしておこう!」と言ったり、「いろいろ王国には、きろりんとかあかりんとかがいるよ!ここをきいろにして、きろりんを呼ぼう!」と言ったり、その世界でえのぐをすることが楽しくなっていた子。 友だちと一緒に「見てー!」「こんなになっちゃったー!」と話しながらぬるだけで、とっても楽しい気持ちになった子。 えのぐでぬる楽しさは、ひとりひとり本当に違っていました。子どもたちはそれぞれに、たくさんえのぐに触れ、いろいろな楽しさを味わい、えのぐがより身近になった6日間だったのではないかと思います。園庭に空間がなくなった後も、「今日もまた、えのぐやりたい!」と言う姿があり、とてもうれしく感じました。「えのぐって楽しい!」という気持ちが、これから、絵を描く楽しさや、表現する楽しさへとつながっていって欲しいと思っています。 そして最近では、暑いほどの日になると、さっそくはだしになって、砂、水、どろを、体全体をつかって楽しみ、自然と素材に関わっている子どもたちの姿もあります。どの素材も、違った感触、楽しさがあり、子どもたちの思い・気持ちによって、自由に形が変えられるものです。様々な素材に触れることをきっかけに、自分の思いで夢中になって遊んだり、友だちと一緒に楽しい気持ちを味わったりして、気持ちをほぐして欲しいなと思います。そうしていく中で、どの子にとっても幼稚園という場が、安心して過ごしていくことのできる楽しい場となり、ひとりひとりが自分の思いをだして過ごしていけるといいな、と願っています。 H20.5PLUS1.jpg