かがやき+1 平成27年 1月
2015年1月30日

広がる子どもの表現と世界





 「絵を描く」といえば、どんな様子を想像するでしょうか。
 思い描く様子は様々だと思いますが、「絵を描く」というと、何となく、ひとりで描くイメージがあるように思います。

 

 長谷の生活で子どもたちは、遊びの中で自然に絵の具で自分のイメージを表現していて、それぞれの子が絵の具をすることを楽しんでいます。周りの子がつくったもの、思う世界を感じることもたくさんあり、色々な刺激を受けているのを感じます。

 例えば、となりの子が海にしようと絵の具をしているのを見て、一緒に海を塗ったり、海から連想して魚や貝、海藻、くじら、岩、空をえがきだしたりするんです。絵の具をするにも、最初に「魚にしよう」と思いながら塗りだしたり、塗っているうちにイメージが浮かんできて、「オバケにしよう」と変わっていったり、色々な広がりがあります。そしてどの子も思うままに絵の具をして、「たのしかった!」「またやりたい!」と目がキラキラ輝いているのを見ると、嬉しくなります。

 

 子どもたちの絵を見ていると、ひとりで塗った絵も、一枚の紙を大勢の子で塗った絵も、別々の紙を寄せ合わせて近くで絵の具を楽しんだ絵も、どれも素敵だなあと思います。どちらのみんなの絵も、同じイメージで空想を広げたり、自分のイメージを近くの子に伝えたり、絵の具をしている時の楽しい気持ちや雰囲気、みんなのイメージも目の前の画用紙にえがかれていきます。別々の紙で、みんなで絵の具をした絵を見ても、その時の子どもたちのイメージや楽しい雰囲気が伝わってきます。

 

 絵の具って楽しい!と感じる瞬間は、たくさんあります。
 ひとりで夢中になってずっと絵の具を塗っているのも、みんなと一緒にやるからもっともっと絵の具が楽しくなるのも、どっちも素敵です。そしてみんなで絵の具をしてから、またひとりで絵の具をすると、これまでと違った新しい世界が広がっていくのもとても面白いです。友だちとのつながり、日々の遊びの中で広がっていくそれぞれの子の自由な世界を、大事にしていきたいと思います。