かがやき+1 平成23年12月
2011年12月27日

この「かがやき+1」では、子どもたちの姿を通して、保育者が、保育の中で感じたこと、考えていること、大切にしていることをお伝えしていきます。 今回は   

『仲間と生活するなかで』

です。

 冬の寒さが全身に伝わってくる季節ですが、子どもたちの生活のなかで、周りの仲間や大人も、ほっこりとあたたかい気持ちになる場面が生まれていきます。  長谷幼稚園では、一年を通して、異年齢のクラスを基本に男女、年齢、クラスを越えて色々な仲間と関わり、生活しています。そして、仲間との新たな出会いやつながりが生まれたり、同年齢ならではの世界が広がったりしていくといいなと思い、11月の中頃から2学期の終わりまで、同年齢のクラスで生活してきました。  その一つの、あおの子(年中児)のクラスでも、皆で楽しさを感じ合って過ごしていきたいと思い、クラスの子達と一緒に遊ぶ時間を持ちながら生活してきました。  そんなある日、同じクラスのAちゃんが登園してくると、Aちゃんの姿を見た他の子ども達が「Aちゃん、おはよ—!」と、それぞれに声をかけていました。あおのクラスになって、Aちゃんとの関わりが新たに生まれたB君も、Aちゃんが来たことが嬉しくて、Aちゃんの元へ行ってニコニコと話かけながら、リュックをしまう間も傍で待っていました。そして、Aちゃんが荷物をしまい終わると、「一緒に行こう!」とB君が手をつなぎ、クラスの皆が輪になって座っている所へやって来ました。 そこでは、C君が「Aちゃん、いっしょにすわろう」と、Aちゃんが来る事を楽しみにして、隣に座る場所を空けて待っていました。B君とC君の間にAちゃんが座って、3人とも、とても嬉しそう。離れた場所に座っている子とも、「おーい、Aちゃーん!」とお互いに手を振り合い、笑顔になっていました。  同年齢の生活という新たな関わりの中でも、一緒に遊び、毎日共に過ごしながら、一人ひとりの子を身近に感じ、仲間に心を寄せていく姿や、「きょうも、あえてうれしい!」と、一緒に生活する喜びを感じていく姿が、たくさんありました。    またある時は、違う年齢のクラスの子が、玄関に上着を忘れている事に気付いたあおの子が、「これ、きいろのこ(年長児)のD君のジャンパーだ。届けてくるね」と、きいろのクラスの部屋まで届けに行く姿がありました。  きいろの子のE君が、作る材料を探して年下のクラスの部屋にやって来ると、床に絵の具がこぼれている事に気付いてすぐに雑巾を取りに行き、丁寧に拭いてから、また箱を探し出す姿もありました。  同年齢のクラスになってからも、他の年齢の仲間を思う姿や、普段は他のクラスの子が使っている部屋も、皆で生活している場として思っている気持ちも素敵だなと感じます。  色々な仲間と生活をしながら、子ども達が、周りの仲間に心を寄せたり、周りの事に気持ちを向けたりしていく姿を、これからも大切にしていきたいと思います。           scan-002.jpg