この「かがやき+1」では、子どもたちの姿を通して、保育者が、保育の中で感じたこと、考えていること、大切にしていることをお伝えしていきます。
今回は
です。
きいろのこ(年長児)が、一泊幼稚園に泊まる日がありました。
おうちの人と離れ、幼稚園に泊まることは、子どもにとって楽しみであり、でも、当然不安や緊張も感じることだと思います。そこで、私たち保育者は、子どもたちが泊まることを楽しみに思う気持ちが膨らんでいくような生活を送り、泊まる日をむかえられたらと考えています。
泊まる日の1ヶ月ほど前、きいろのこで集まり、泊まる日に過ごす場について子どもたちと話していきました。すると、お風呂に入る前に脱ぐところとして「おうち」を作りたいという話が盛り上がりました。どんなおうちか聞いていくと、「四角いおうち」「脱いだものを置ける棚がある」「窓がある」「屋根がある」「ドアがある」「すべり台を滑っておうちに入る」など、イメージが拡がっていったのです。また、お風呂はドラム缶にお湯をためて入ります。お風呂へは、階段を上って入り、はしごを下りて出るというイメージも出てきました。
とんかち・釘・のこぎり(危険がないように、約束をして出しています。)を使い、園庭に木箱、板を組み合わせ、子どもたちの力でイメージを形にしていきます。釘を打つことや板を切ることの楽しさや、イメージしたものが、子ども同士のアイディアや力が合わさって形になるうれしさを感じた子どもたちでした。
ドアを作る中で、「ぐるぐる回るドアにしたい!」ということで、考え作った子どもたち。まず、両わきを木箱、上を板で止め、枠を作ります。角材の両面に板を打ちつけたドアを釘1本で、枠の上の板に止めると回るのです。ドアの下の部分は、角材がずれないように溝も考え作りました。すぐに出来上がらなくても、何日にもかけて作る姿、工夫する姿におどろかされました。
また、「おうち」ができてきて、「おうちの中で、ごはんを食べたい!」「テーブルを作ろう。」と、次へのアイディアがでたり、服やパンツを脱ぐ「おうち」だから、名前を『ぱんつふくふくはうす』にしようとなったり、この「おうち」への思いが膨らむと共に、泊まることへの気持ちも盛り上がっていきました。
そして、泊まる日当日は、子どもたちが、自分たちで買い物(近くのお店に行き、お肉とカレーやシチューのルーを買いました。)と、夕ごはんのカレーやシチュー作り(包丁を使いカレーやシチューの具を切ります。)をしました。夕ごはんも、私たち保育者が用意するのではなく、子どもたちが作ることで、自分たちの力で生活し、より満足する気持ちにつながると思います。
「幼稚園に泊まった!」「みんなで作った『ぱんつふくふくはうす』で、ごはん食べた。みんなで、脱いでお風呂に入った!」と、楽しさやうれしさ、満足した気持ちを味わえた2日間だったと思います。その気持ちが、子どもたち一人ひとりの次への自信につながっていくことを願っています。